相殺について
金融機関の用語の1つに「相殺(そうさい)」があります。
相殺とは、いったいどういう時に利用される用語なのでしょうか。
○相殺について
金融機関と融資先企業がお互いに債権と債務を持っている場合、債権と債務の対当学を消滅させることを相殺といいます。
事例を挙げてみるなら、こうした原理が働きます。
「ある企業が金融機関に100万円を預けていて、金融機関は企業へに対して100万円を融資しているとします。
その100万円に対してお互いが相殺する意思があることを確認することによって、債務と債権を消滅させることができる。」ということです。
そして相殺は「金融機関-企業」という関係だけでなく、「企業-企業」の間でも成立します。
「相手方に対して100万円の売掛金を有している一方、相手方に60万円の支払義務を負っている場合→60万円分は相殺→相手方に対して、残額40万円の債権が残る。」
このように相殺は、商取引の中でも多用されている現状にあります。
相殺を実行するための条件。
・同じ種類の債権と債務の状態が、同じ当事者の間で対立している場合。
・融資金および預金の期日など、債権と債務の弁済期を迎えている場合。
さまざまな事例の相殺
では次のような事例の場合、相殺することあできるのでしょうか
「電子記録債権の債務者で、売掛金等別の債権が支払われなかったけれど、支払期日未到来の債権で相殺することができるのか。」
支払期日未到来の債権で相殺するということは、その債権の利益について自ら放棄することを意味します。
相殺した旨の支払等記録の請求に対して、「自ら期限の利益を放棄/債権者が協力してくれる」のであれば相殺することは可能です。
しかし支払期日前の受働債権とする場合、相殺することはできません(支払期日前の債権の一部であっても)。
(受働債権=債権と債務を対当額で相殺をする場合、相殺される側の債権のことをいいます。)
上記に明記した内容が、電子記録債権の相殺です。