電子記録債権の普及率について
全国銀行協会が運営する電子債権取引システム「でんさいネット(電子記録債権)」は、もともと国のIT戦略の一環として創設されたシステムです。
そんな電子記録債権の普及率は、どれくらいの広がりをみせているのでしょうか。
2016年2月の統計によると、発生記録請求金額(手形の額面金額)の累計は15兆円に迫っていて、利用登録企業数も43万社に達したといわれています。
この数値からわかるように電子記録債権の普及率は(施行されて10年も経っていないことを考えれば)、大企業のみならず小企業に至るまでかなりの認知度だと思います。
さらに将来的には、国や地方公共団体も電子記録債権を利用する予定になっています。
近い将来、「法人の決済=電子記録債権」が当たり前の時代になってくるのではないでしょうか。
しかし何故、こんなにも電子記録債権が一気に普及し始めたのでしょうか。
もちろん国の戦略ということもありますが、この項では電子記録債権のメリット改めて考えてみたいと思います。
電子記録債権のメリット
まずペーパー手形であれば、「火事になる/紛失や盗難」といった被害に遭う可能性があります。
さらに10万円以上の手形の場合、収入印紙も発生します。
これからもわかるようにペーパー手形は、取り扱いが面倒で経費削減といった効率性も悪いのです。
(事実、ペーパー手形は年々減少傾向にあります。)
その点、電子記録債権はメリットが一杯です。
インターネットによって債権をやり取りするので、火事や紛失・盗難に遭うこともありません。
そして当事者同士の合意があれば、収入印紙も必要ありません。
資金化もスムーズに行えます。
とにかく電子記録債権を利用することよって、あらゆる面が効率的になるのです。
近未来に備えて
ここからは個人的見解になります。
もはや、日本は世界と肩を並べるインターネット大国になりました。
そして、これからもインターネットは加速を続けます。
そうした流れを考えると、企業にとってペーパー手形を利用し続けるメリットは、まったくないといってもいいと思います。
もしまだ電子記録債権に移行していないのであれば、将来を見据えて早急に移行する必要があると思います。