基本となる手形の割引
電子記録債権のメリットの1つに、「手形の分割割引」があります。
いったい手形の分割割引ができれば、どのようなメリットがあるのでしょか。
この項では手形の分割割引について詳細に明記したいと思いますが、その前に基本形となる「手形の割引」について勉強したいと思います。
○手形の割引とは
手形の多くは、2ヶ月後や3ヶ月に現金化されるものがほとんどです。
そして満期が来ていない手形を、銀行などの金融機関が譲り受ける行為を「手形を買取る」といいます。
もちろん、無料で手形を買取るわけではありません。
買取日から支払期日までの金利相当額を、手形額面額から差し引いた金額を買取ることになります。
このような行為を「手形の割引といいます。
ちなみに手形の割引対象になるのは、「商業手形/銀行引受手形/荷為替手形」の3種類です(ほとんどの場合が商業手形)。
また手形を持っている人は手形を金融機関などに譲渡することになるため、裏書が必要になります。
当然のことですが万が一手形が不渡りになれば、買戻し遡求義務が発生します。
電子記録債権の手形の分割割引
上記に明記した内容が「手形の割引」になります。
次に、電子記録債権の手形の分割割引について触れてみたいと思います。
電子記録債権の手形の割引も、基本的な考えは同じです。
金融機関に譲渡することによって、債権金額を支払期日より前に受け取ることができます。
そして手形の分割割引が手形の割引と違うのは、必要な分だけ何回でも分割割引をすることができることです。
(ペーパー手形の割引は、記載された金額の満額でしか割り引くことしかできません。)
「手形が何回でも分割できるだけ?」と思うかもしれませんが、実は電子記録債権の手形の分割割引のメリットは想像以上に大きいのです。
例えばどうしても100万円の現金が必要なのに手元に1000万円のペーパー手形しかなければ、(100万円の現金を得るため)1000万円分の手形割引をしなければならないからです。
電子記録債権の手形の分割割引は、そういう無駄なお金を使う必要もありません。
さらにペーパー手形を現金化する場合、金融機関に持ち込み1~2時間掛かることになります(郵送であれば、1~3日程度掛かります)。
電子記録債権の手形の分割割引は、すぐに現金化できます。